ネットワークエンジニアのキャリアパスってどんなのがあるの?
今後どのように成長していけばいいのか知りたいな。
このような疑問を解決します。
ネットワークエンジニアになってしばらくは目の前の仕事をこなすので精一杯だと思います。
しかし、ある程度仕事にも慣れてスキルも身に付いてきたとき、今後のことを考えてしまいませんか?
そこで、本記事ではネットワークエンジニアとして働いている人が、どのようなキャリアパスを描くことができるのか解説していきます。
これからネットワークエンジニアになろうと思っている方、今ネットワークエンジニアで今後のことを悩んでいる方はぜひ参考にしてください!
未経験からネットワークエンジニアに転職したいと考えてる方は、ぜひこちらの記事も合わせてご覧ください!
ネットワークエンジニアの仕事は今後もなくなることはない
まず、前提としてネットワークエンジニアの仕事が今後なくなるってことはありえません。
「今後はAWSなどのクラウドが主流となってくるから、ネットワークエンジニアの仕事はなくなります」と解説している記事をよく見かけますが、これは間違いです。
たしかに、サーバがAWSに置き換わることにより、サーバが直接社内ネットワークに繋がることはなくなるかもしれません。
しかし、そのAWSへとアクセスするためには、ネットワーク(インターネットへの接続)が必須です。
ネットワークエンジニアは、サーバなどの機器とネットワークを繋げるだけが仕事ではありません。
むしろメインとなるのは、会社のインターネット環境を作ることで、サーバとネットワークを繋げるのは仕事のほんの一部なんです。
どちらかと言うとそれはサーバエンジニアの仕事で、ネットワークエンジニアはサーバの受け口を作るまでが仕事です。
今の時代、インターネットが使えない会社なんて存在しませんよね?
会社のネットワーク環境は一般家庭と違って、ただNTTなどの業者を呼んで電線から建物へと光ファイバーケーブルを引いたらOKって訳ではありません。
全社員がネットワークへと接続できるようにしつつ、セキュリティなどの安全面も確保する必要があります。
これらの設定を行うのもネットワークエンジニアの重要な仕事です。
小さい会社の場合、一般家庭と同じようにインターネットを引いて、一般的な家庭用ルータとハブでネットワークを構築して使っていますが、ある程度規模が大きくなってくると、それだけでは不十分です。
ネットワークが遅い・繋がらないなどのトラブルの原因になるため、しっかりとネットワーク構築を行う必要があるんです。
つまり、AWSなどのクラウドが主流となっても、結局はそこへアクセスするためにネットワークが必要となるため、ネットワークエンジニアの仕事がなくなるってことはありえないのです。
ネットワークエンジニアのキャリアパスとは?
ネットワークエンジニアのキャリアパスは、大きく分けて以下の2つです。
- ネットワークのスペシャリストになる
- インフラのスペシャリストとなる
言い換えれば、ネットワークについてとことん突き詰めるか、ネットワーク以外のことも広くできるようになるかです。
ネットワークのスペシャリストになる道
王道なのは、ネットワークのスペシャリストになる道です。
経験を積んで、上流工程である構築や設計、要件定義まで行います。
要件定義までできるようになるには、かなりのスキルと経験が必要になってくるので、それができるようになると一人前です。
その後の具体的なキャリアは、以下のどちらかに進むことになります。
- ネットワークスペシャリスト
- ネットワークマネージャー
ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリストは、上流から下流までの一連の流れを全て行うことができるネットワークエンジニアです。
どの工程の仕事もこなすことができるので、現場にいなくてはならない存在となること間違いなし。
また、企業としても扱いやすい人材のため、転職時かなり有利になります。
ネットワークマネージャー
「ネットワークマネージャー」という名称が正しいかは微妙なところではありますが、ここで言う「ネットワークマネージャー」は、上流工程をメインとする仕事だと思ってください。
具体的には、要件定義と設計ですね。
要件定義と設計を行って、構築以降の工程の仕事は、別の人・部署・会社に投げるといった形になります。
実際に機器を使って設定等は行いませんが、要件定義と設計、どちらもかなりの技術力が必要です。
また、要件定義をするためにはクライアントと要件のすり合わせを行う必要がありますし、構築以降の工程を依頼するにあたって、担当者とも打ち合わせをする必要があります。
クライアントからは要件をうまく聞き出す必要があり、担当者には作業内容を正しく伝える必要がある、つまり技術力以外にもコミュニケーション能力が必要とされる仕事です。
インフラのスペシャリストになる道
一方、ネットワークだけでなくインフラ全般のスペシャリストになる道も存在します。
サーバにしてもロードバランサーにしてもファイアウォール等のセキュリティにしても、ネットワークの知識があるだけで、かなり入りやすくなります。
そのため、ネットワーク以外にも幅広くスキルを身に付けたい人は、こちらのインフラのスペシャリストになる道を選ぶのもありです。
今後AWSなどのクラウドが流行ると、インフラ全般に詳しい人の需要は更に高まるはずです。
ネットワークエンジニアにおすすめなキャリアパス
ネットワークエンジニアのキャリアパスにどのようなものがあるか解説しましたが、どの道に進むのがいいのか迷う人は多いんじゃないでしょうか?
そこで、目的に合ったおすすめのキャリアパスについて解説していきます。
とにかく年収を上げたい人
「仕事が忙しくてもいいから、とにかく年収を上げたい!」って人は、ネットワークスペシャリストかネットワークマネージャーを目指すべきです。
どちらの職も、年収はかなり高いですからね。
SESの会社で働いていたとき、現場の先輩はネットワークマネージャーよりのネットワークスペシャリストでしたが、31歳でだいたい年収800万円くらいもらってると言っていました。
でも、毎日終電帰りだったし、朝もかなり早くから仕事してたよね・・・
年収はかなり高いですが、その分仕事量もすごかったです。
ちなみに、このネットワークスペシャリストとネットワークマネージャーのどちらに進むかですが、
- 現場で最新の機器や技術に触れながら働きたい人
→ ネットワークスペシャリスト - 人とコミュニケーションと取りながらプロジェクトをコントロールしていきたい人
→ ネットワークマネージャー
ざっくりこのような目安にするといいです。
ライフワークバランスを重視したい人
逆に、年収を上げるよりもライフワークバランスを重視したい人は、社内インフラエンジニアを目指すことをおすすめします。
後から詳しく解説しますが、社内インフラエンジニアはクライアント相手にする仕事ではなく、基本的に自社の人相手に仕事を行います。
そのため、打ち合わせに行くこともありませんし、急な予定変更もほとんど起こりません。
自分のペースで仕事を進めることができるので、圧倒的にライフワークバランスが取れます。
ただ、クライアント相手の仕事ではないため、会社として直接売上が出るわけではありません。
そのため、ネットワークスペシャリスト等に比べると年収は低めになりがちです。
ネットワークエンジニアが社内インフラエンジニアを目指すべき理由
ネットワークエンジニアが、キャリアパスとして社内インフラエンジニアの道に進むことを個人的にはおすすめしています。
その理由は以下の通り。
- 大企業・優良企業の可能性が高い
- クライアントを気にせず自分のペースで働くことができる
- 幅広いスキルを身に付けることができる
それぞれ解説していきますね。
大企業・優良企業の可能性が高い
社内インフラエンジニア職がある会社は、大企業・優良企業の可能性が高いです。
なぜなら、小さい会社の場合、兼務することが多いからです。
その理由は単純、そうすればコストを抑えられるからです。
クライアント業務を担当する人員と、社内業務を担当する人員、どちらもいるとその分人件費等のコストがかかってしまいます。
そのため、そこまで規模が大きくない会社だと、クライアント業務をこなしつつ社内業務も同時にこなしているんですね。
一方、大企業はそのあたりが完全に役割分担されています。
ちゃんと社内向けの担当者、つまり社内インフラエンジニア(社内SE)がいます。
社内インフラエンジニアへの予算があるのもそうですが、会社の規模が大きいとその分管理するのも大変になります。
そのため、クライアント業務と兼業ではとてもじゃないけど、仕事が回らないんですね。
もし、規模が大きい会社で社内インフラエンジニアがいない場合は注意が必要です。
例えば、事務の人が片手間に管理をしているとかですね。
社内インフラを整えるためのコストをケチっていたり、社内インフラを軽く見ている可能性が高いです。
社内インフラは、社員の労働環境としてかなり重要なのにね。
社員の働きやすさを考えていないため、あまりいい会社とは言えないですね。
逆に、規模があまり大きくない会社で社内インフラエンジニアがいる場合、社員のことをしっかり考えているいい会社である可能性が高いです。
それだけでなく、社内インフラの管理にまで予算を回すことができる余裕もあることもわかります。
ギリギリでやってる会社だと、そんな予算出ないですからね。
つまり、安定していて労働環境も悪くない優良企業である可能性が高いんです。
転職サイトなどで求人を見てもらうとわかるのですが、だいたいの会社が給料高めです。
クライアントを気にせず自分のペースで働くことができる
社内インフラエンジニアは、クライアント業務と違って、クライアントに気を使う必要がありません。
クライアント業務だと、急な仕様変更があったり、納期を早めてくれと言ってきたり、忙しい中打ち合わせに行かないといけなくなったりと大変なことが多いです。
しかし、社内インフラエンジニアの場合はそのようなことがほぼありません。
仕様や納期を決めるのは自分たちですし、打ち合わせは自社内です。
クライアントとのやり取りでストレスを溜めることもないのも大きいですね。
クライアントの担当者が苦手な人だと余計にストレス溜まるし、そういうのもないって素晴らしい!
幅広いスキルを身に付けることができる
社内インフラエンジニアは、幅広いスキルを求められます。
なぜなら、社内ではネットワークだけでなくサーバも動いており、それらを全て管理していく必要あるからです。
また、会社によってはインフラ周りだけでなくシステム周りの管理も必要になるため、かなり幅広いスキルを身に付けることができるようになります。
ネットワークエンジニアだと、ネットワークのこと以外に関わることってほぼないもんね。
社内インフラエンジニアになると、ネットワーク以外にも学ぶ必要があるため、マルチなスキルが求められます。
社内インフラエンジニアを目指す上で注意すべき点
ネットワークエンジニアからキャリアアップして社内インフラエンジニアを目指すことをおすすめしていますが、1つ注意点があります。
それは入社のハードルが高いことです。
社内SE(社内インフラエンジニア)は、働きやすく待遇もいいためかなり人気の高い職業です。
そのため、入社するためには他の人より高いスキルが求められます。
技術的なスキルはもちろん、コミュニケーション力もかなり重視されます。
正直な話、ネットワークエンジニアであれば、基本的なスキルさえ身に付いていれば全くの未経験からでも転職できます。
需要が高い上に人手が足りてないため、未経験からでも転職するためのハードルが低いんです。
基本的には入社して現場で学んでスキルアップしていくため、入社時は最低限のスキルでOKな会社が多いです。
しかし、社内インフラエンジニアの場合は違います。
入社した時点でいきなり現場で働けるだけのスキルがないと仕事になりません。
そのため、ネットワークエンジニアとしてのスキルは当然として、サーバ関連の知識やデータベース、プログラミングについても、ある程度の知識がないと厳しいです。
現場で先輩から仕事を丁寧に教えてもらえるって環境じゃないんだね。
基本的に何でも自分1人で全て解決できるだけのスキルがないと正直厳しいですね。
つまり、1年ちょっとネットワークエンジニアとして現場を経験したからと言って社内インフラエンジニアに転職しようってのはかなり難しいです。
自分1人である程度何でもできるようになるには、1年ちょっと働いただけでは無理ですよね?
おそらく3〜5年はかかるはずです。
十分なスキルが身に付くまでは、とにかく現場でネットワークエンジニアのスキルを高めつつ、その上で他のスキルも身に付けてから社内インフラエンジニアの求人に応募することをオススメします。
サーバ関連の知識が必要な理由
サーバとネットワークはかなり密接な関係にあります。
社内ネットワークの場合、絶対そのネットワーク内に何かしらのサーバが含まれます。
例えば、ネットワーク機器のリプレイス作業が発生したとして、それらの作業が終わったときネットワークだけでなくサーバも正常に動作しているか確認する必要があります。
また、トラブルが発生したときその原因を特定するためにサーバを操作する場合もあります。
そんなときサーバの操作がわからなかったらどうにもなりませんよね。
社内インフラエンジニアとして働く場合、多くの場合ネットワークとサーバどちらも面倒を見ることになります。
そのため、最低限基本的な操作や知識は身に付けておく必要があります。
プログラミングスキルが必要な理由
もし業務にシステム関連のことが含まれていなくても、プログラミングスキルは身に付けておくべきです。
理由は2つあります。
1つは、面倒な作業が発生したとき自動化して簡単に進めることができるからです。
私はネットワークエンジニアとして働いているとき、クライアントから受け取ったExcelを元にルータのコンフィグを作る作業がありました。
作業内容自体は、Excel内に記載された通りにポートを設定していくだけの単純なものだったのですが、とにかく数が膨大でした。
今まではそれら全てを手作業で行っていたようなのですが、そんなことしてたらものすごい時間がかかってしまう上、記載ミスのリスクも高くなってしまうため、私はPythonを使って自動で変換するプログラムを作りました。
プログラムが完成さえすれば、あとは一瞬で作業が終わります。
プログラムを作るための時間は多少かかりますが、それでも全部手作業で入力するよりもずっと早く終わりました。
作ったプログラムなんて、セルの中身を読み取って順番にコンフィイグ内のポートに代入していくだけの簡単なものなので、少し勉強すれば誰でも作れるようなレベルです。
そんなスキルでも、かなり効率化ができました。
ネットワークエンジニア・インフラエンジニアは、単調だけど量が膨大な作業が多々発生します。
そんな中でプログラミングのスキルが少しあれば、その作業をかなり効率化できるため、ネットワークエンジニア・インフラエンジニアこそプログラミングは勉強するべきです。
2つ目は、今後のクラウド化に対応していくためです。
今は社内環境をオンプレで構築しているかもしれませんが、今後はクラウド化することが来るかもしれません。
例えば、AWSでサービスを構築するとなったとき、その実態はPythonで書かれていたりします。
つまり、Pythonでコードを書いて、それをデプロイすることでインフラ環境が構築できるんですね。
そうです、インフラ構築にプログラミングのスキルが必要になってくるんです。
今後どんどんクラウド化が主流になっていく場合、インフラエンジニアもプログラムがある程度理解できないといけない時代になってくる可能性は高いです。
そうなったときのためにも、今のうちからプログラミングの基礎を勉強しておくべきです。
インフラ系のスキル以外にもプログラミングのスキルもあると、単純に転職のとき役立つのも強みです。
ネットワーク以外のスキルを学ぶ方法
ネットワークエンジニアとして現場で十分なスキルを身に付けた上で、社内インフラエンジニアへと転職するのであれば、ネットワーク以外のサーバ関連の知識やプログラミングのスキルを身に付けましょう。
ネットワークだけができる人よりも幅広いスキルを持っている人の方が、社内インフラエンジニアとして重宝される場合が多いためです。
急に○○な仕組みを作ってくれと言われ、プログラムを作るなんてことも十分ありえます。
サーバ関連の知識
サーバ関連の知識を身に付けるためには、実際にサーバを構築してみるのが一番です。
でも。いきなりサーバ構築しろって言われても、何をすればいいのかわからないよ。
おすすめはVPSでブログを作ってみることですよ。
別にブログである必要はないのですが、作ったものが目に見えてわかりやすいためオススメしてます。
大事なのは、VPSを使ってサーバを構築することです。
多少の利用料金はかかってしまいますが、月額1,000円ほどで使うことができるのでかなりお手軽です。
不要になったらいつでも解約できますしね。
特にオススメなのは、ConoHa VPS
ConoHa VPS
例えば、月額1,000円のプランに入っていたとしても、利用時間が少なかったら使った分だけの料金だけでOKです。
1,000円より安くなることはあっても高くなることはないため、絶対月額1,000円以下で抑えられてかなり使いやすいです。
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プログラミングのスキル
プログラミングのスキルを学ぶなら、侍テラコヤ
プログラミングを完全に独学で学ぶのは、正直かなりハードルが高いです。
でもプログラミングスクールって料金が高いし・・・
確かにプログラミングスクールって何十万円もするイメージありますよね。
侍テラコヤ
2,980円って参考書買うのと同じくらいの値段じゃん!
その値段で参考書以上のことを学ぶことができるので、かなりお得ですよね。
しかも、初期費用も特にかからないので途中でいつでも解約することができます。
「何十万円も出してプログラミングスクールに通ったけど、結局大したスキルが身につかなかった・・・」
こんな悲劇は起こりません。
自分に合わなければ1ヶ月分だけの料金で済むので、リスクを最小限に抑えることができます。
スキルを確実に身に付けたいのであれば、参考書を買うよりも侍テラコヤ
オンラインで自宅から学べるのも嬉しいね!
自分のペースで学べるのもありがたいですね。
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ネットワークエンジニアとして理想のキャリアパスまとめ
ネットワークエンジニアとしてある程度の経験を積んで、十分なスキルを身に付けたら社内インフラエンジニアへと転職することをおすすめします。
社内インフラエンジニアを採用する企業は、大企業や優良企業が多いため、労働環境や給与面で待遇がよくなる可能性が非常に高いです。
ただし、その分採用のハードルはかなり高いです。
倍率も高いですし、会社のインフラを任せることになるため求められるスキルのレベルもかなり高くなります。
そのため、ネットワークのスキル以外の武器をあらかじめ持っておくことをおすすめします。
具体的には、サーバ関連とプログラミングのスキルです。
最低限これらの基本的なスキルさえ身に付ければ、ネットワーク・サーバ・プログラムなんでもできるスーパーマンの誕生です。
転職活動で有利になりますし、入社してからの待遇もよくなります。
せっかくネットワークエンジニアとしてスキルを磨いてきたなら、更に待遇のよくなる社内インフラエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか?