ネットワークエンジニアになりたいけど、何か資格を取った方がいいの?
まず結論を言ってしまいます。
ネットワークエンジニアを目指すなら、資格を取得した方が有利にはなりますが必須ではありません。
むしろ資格を取るため必死に勉強するのは、非効率的なんです。
未経験から目指す場合は、特にそう言えます。
資格を取得するべきなのは、ネットワークエンジニアとしてキャリアアップをしたいとき、つまりすでにネットワークエンジニアとして働いている人なんです。
ちょっと意外に思うかもしれませんが、詳しい理由については後ほど解説しますね。
そんな資格について、本記事では未経験者がネットワークエンジニアを目指す上で、
- 資格を取得するメリットとデメリット
- ネットワークエンジニアにおすすめの資格とは?
- 資格取得が必須ではない理由
- 資格取得よりも大事なこと
これらについて解説します。
特に「ネットワークエンジニアになるために、まずは資格を取得しなきゃ!」って考えてる人は、ぜひ参考にしてほしいです。
本記事の信頼性
ネットワークエンジニアとして4年間働いており、上流工程から下流工程まで幅広く経験してきました。
- 上流工程
→ 様々なクライアント相手にネットワーク設計・構築を経験 - 下流工程
→ Cisco社パートナー企業でテクニカルサポート業務を経験
未経験者が資格を取得するメリットとデメリット
全くの未経験からネットワークエンジニアを目指すにあたり、まずは資格を取得しようと考える人が多いのではないでしょうか?
でも実はこれ、いいことばかりではないんです。
資格を取得するメリット
未経験者が資格を取得するメリットは、転職活動時に書類選考を通過しやすくなることです。
資格を持っていると、最低限の知識があることを証明できるので、まだ実績のない未経験者にとっては大きなプラスになります。
企業側から見たら、資格を持っている人と持ってない人、どちらか1人を選ぶなら資格を持っている人が欲しいですよね。
資格を取得するデメリット
でも実は未経験者が資格を取得するのはデメリットもあるんです。
それは時間効率が非常に悪いことです。
資格を取得するためには、業務とは全く関係のない範囲も勉強する必要があります。
具体例は後ほど紹介しますが、これがかなりの時間泥棒です。
限られた時間の中で勉強をしないといけないのに、業務と関係ない範囲の勉強をしないといけないってモチベーション的にも辛いね・・・
それだったら業務に関係する範囲の知識を深めた方が、実際働きだしてから役立ちます。
その結果、評価も上がりやすくなりますからね。
また、資格手当がある会社もありますが、会社によっては入社してから取得した資格にしか付かない場合があります。
そのため、入社してから取得した方が得な場合が多いです。
今まで私が経験してきた会社は全て、入社してから取得した資格にしか手当が付きませんでした・・・
ネットワークエンジニアにおすすめの資格とは?
「ネットワークエンジニアにおすすめの資格」を調べると、様々な資格が出てきますよね。
その中でも特に多い資格が、
- CCNA
- LPIC
- 基本情報技術者
- ネットワークスペシャリスト
これらです。
でも、未経験者が資格取得するのはデメリットがあるんだよね?
じゃあ別に取らなくてもよくない?
たしかにデメリットはありますが、1つくらいは持っておくと転職活動がしやすくなるのも事実です。
結論を言ってしまいますが、これらの資格の中で未経験者が取得するべきなのはCCNAです。
他の資格は正直取るメリットがあまりないです。
それぞれ詳しく解説していきますね。
CCNA
CCNAは、ネットワークエンジニアの入門と言ってもいいような資格です。
ネットワークの基礎からCisco機器の扱い方まで、実務で必要な知識ばかりな内容なんです。
そのため、ネットワークエンジニアを目指すなら取得しておいてもいい資格の1つ。
知らないと入社してから苦労する知識ばかりです。
もっと言うと、資格は取得しなくてもいいですが、CCNAの範囲の知識は必ず身に付けておく必要があります。
それくらい基礎となる重要な資格です。
とは言え、中には今では全く使われていないような技術も含まれているため、資格を取るならそのあたりは我慢する必要があります。
また、受験料も39,000円(税込み42,900円)と、かなり高いです。
そのため、とにかく最短で転職活動を進めたいって人は、資格を取得せずとも必要な部分の勉強だけして、その知識を身に付けるだけでも十分武器になります。
LPIC
LPICはLinuxについて、つまりサーバの基礎となる資格です。
ネットワークとサーバは密接な関係にあるため、ネットワークエンジニアとしてサーバの知識はあるに越したことはありません。
しかし、これが入社前の未経験者に必要かと言われると、そうでもありません。
むしろ、ネットワーク機器操作のコマンドだったかLinux操作のコマンドだったか混乱してしまう可能性もあるので、取らない方がいいです。
でも持っておいたら後から何かの役に立つんじゃない?
持っていること自体は決してマイナスではありません。
ただ、このときに勉強したスキルを今後の業務で役立てることはほぼできません。
もし業務でLinuxを使うことになったら、結局そのときに勉強し直すことになるので、未経験のうちはネットワークのことだけ勉強していた方が絶対いいです。
基本情報技術者
基本情報技術者は、IT業界全体の入門のような資格です。
ネットワークについてはもちろん、他にもプログラミングやデータベース、プロジェクトマネジメントや経営戦略など、試験範囲がかなり広いです。
持っているとネットワークエンジニアだけでなく、他のIT系企業全般に対しての強みにはなりますが、IT業界が全くの未経験の人が取得するにはかなりハードルが高いです。
そのため、取得しようとすると勉強にかなりの時間がかかってしまうので、未経験者が転職のために取得するのはおすすめしません。
資格手当の対象になっている会社がほとんどなので、入社してから少しずつ勉強を進めていくことをおすすめします。
国家資格だし、IT業界で働き続けるならいつかは取りたいね!
ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリストは、その名の通りネットワークについてのスペシャリストとしての資格です。
ネットワークについての広く深い知識が必要で、取得するのはかなり困難です。
持っていればネットワークエンジニアとしての転職活動はかなり有利になるでしょう。
しかし、ネットワークエンジニアとしての経験がない人が取得するのは、はっきり言って無謀です。
私も4年間ネットワークエンジニアとして働いてきて、多少は知識もあるだろうと思っていましたが、問題を見てかなり難しいと思いました。
ただ、しっかり実務経験を積むことで確実にスキルは身に付くので、未経験で取得しようとするのではなく働いて数年後にチャレンジしましょう。
ネットワークエンジニアに資格取得が必須ではない理由
資格を取得することで、たしかに転職活動である程度有利になります。
特にCCNAを取得しておくと、かなり重宝されます。
しかし、入社してから必要なのは資格そのものではなく、資格取得時に身に付けたスキルです。
そのため、資格を取得した方が有利ではありますが、スキルさえあれば必須ではないんです。
とは言え、せっかくスキルがあってもそれを応募先企業へと伝えなければただの未経験者とみなされて、書類選考で落とされてしまいます。
そんなときは転職エージェントを活用しましょう。
転職エージェントを通じて企業へと応募すると、応募書類だけでは伝えきれないことを担当エージェントが補足してくれるんです。
つまり、資格を持っていなくてもスキルさえ身に付けておけば書類選考で落とされる確率が低くなります。
おすすめの転職エージェントはdoda
IT業界に強い担当者が多いので、身に付けたスキルを正確に企業側へと伝えてもらうことができます。
業界についても知らないことを教えてもらえるので、未経験者には特におすすめです。
dodaのサービスは全て無料で利用することができるので、まずはキャリアカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか?
ネットワークエンジニアに必要なスキル
未経験でネットワークエンジニアに転職すること自体は、正直そこまで難しいものではありません。
しかし、そこでエンジニアとしてスキルを磨きつつやっていけるのかどうかは別問題です。
全くスキルがないまま転職してしまうと、誰でもできるような仕事からスタートすることになり、スキルも給料もなかなか上がらないまま時間が過ぎてしまうことになってしまいます。
逆にある程度スキルがある状態で転職すると、任される仕事内容も全然違ってきます。
その結果、2〜3年後にはスキル面でも給料面でも大きな差が出てきてしまうんです。
そのため、転職前にスキルを見に付けておくことをおすすめします。
【絶対必須】CCNA相当のスキル
誰でもできるような仕事ではなく、きちんとネットワークエンジニアとして働きたいのであれば、ネットワーク機器の操作ができることが絶対条件になります。
機器の操作ができなければ、現場で「あれやっておいて」と指示をもらっても、できませんからね。
逆に言えば、ネットワーク機器の操作ができれば、現場でもやっていけます。
面接でも、
Ciscoのルータ、L2スイッチ、L3スイッチの基本的な設定はできます!
とアピールできると、かなり評価されます。
具体的には、
- ポートの設定
- VLANの設定
- スパニングツリーの設定
- スタティックルーティングの設定
- ダイナミックルーティングの設定も多少できるとなおいい
未経験でこれくらいができれば十分です。
これだけできればCCNAの資格を取得してなくても全然OKです。
とは言え、全くネットワークのことを知らない人が、独学でこれら全てを学ぶのはかなり大変です。
そういうときおすすめしたいのがウズウズカレッジ CCNAコース
ウズウズカレッジ CCNAコース
よくある最低利用期間の縛りがないのはありがたいね!
しかも受講はオンラインでできる上、勉強してわからない部分は質問もできるので、自分のペースで学習を進めることができるのも嬉しいポイント。
ただ、逆に言うと塾みたいにスクールへ行って決められた時間勉強をする訳ではないので、自分で勉強時間を確保して学習する必要があるので、「今日は気が乗らないからいいや〜」と誘惑に負けてしまう人だと厳しいかもしれません。
現場で重宝されるネットワーク以外のスキル
ネットワークのスキル以外に、プログラミングのスキルがあると現場で重宝されます。
例えば現場で作業中、TeraTermのマクロを使うことがあります。
ただ、いきなりマクロを使えって言われても困りますよね・・・。
でも実は、TeraTermのマクロってプログラミングの基本的なことさえわかっていれば、すぐ理解できて使えるようになるんです。
逆に、プログラミングの知識が全くないと、理解するのにかなり苦労することになってしまいます。
また、他にもネットワーク機器のコンフィグを作成する際、
- ドキュメントからコンフィグへ自動変換
- 旧機器のコンフィグから新機器のコンフィグへ自動変換
などができるようになり、ものすごく喜ばれます。
膨大な数のコンフィグ作成が必要な案件に当たったとき、誰よりも大活躍できますよ。
これらは、ネットワークの知識とプログラミングの知識どちらも必要になるため、元々プログラマを目指していた人などは強みを活かすことができます。
上記の例は、私が実際に現場でやっていたことなのですが、かなり喜ばれました。
ちなみに、使用した言語はPythonです。
まとめ:資格よりもスキルを身に付けることが重要
未経験からネットワークエンジニアへと転職するため、まずは資格を取ろう!
この考えは間違ってはいませんが、正しくもありません。
ネットワークエンジニアは、未経験者でもなることができます。
その上、スキルさえあれば資格がなくても大丈夫です。
資格を取得するためには業務とは関係のないような範囲も勉強する必要があるので、その分時間効率が落ちてしまいます。
いち早くネットワークエンジニアへと転職するには、以下の流れが一番効率いいです。
- 最低限業務に必要なスキルを身に付ける
- 転職エージェント経由で企業へ応募する
資格がなくても転職エージェント経由で応募すれば、スキルについて補足してもらえるので不利になりづらいです。
資格がなくても転職エージェント経由で応募すれば、スキルについて補足してもらえるので不利になりづらいです。
必要なスキルを効率よく学ぶためには、サブスク型のスクール「ウズウズカレッジ CCNAコース
基本は自分のペースで勉強し、わからない部分は質問できるので、必要なスキルがかなり効率よく身に付けることができます。
ネットワークエンジニアを目指している人の参考になれば幸いです!