ポートフォリオサイトを作ったんだけど、これどうやって担当者に見てもらえばいいんだろう?
そのままでは自分以外見れませんからね。
3つの方法があるのでご紹介します。
未経験からエンジニアへと転職するためには、ポートフォリオが必須です。
そのため、ポートフォリオとなるものを転職活動を行う前に作成するかと思うのですが、そのポートフォリオサイトを採用担当者にどうやって見てもらうか考えていますか?
面接の場にPCを持っていって、その場で動作を見てもらうのもいいですが、面接前もしくは面接後に「動作が確認できるURLを送って」と言われる場合があります。
当たり前ですが、何もしていない状態だと担当者がそのポートフォリオサイトへとアクセスすることはできません。
つまり、担当者にポートフォリオサイトを見てもらうためには、そのサイトを外部に公開する必要があるんです。
本記事では、作成したポートフォリオサイトを外部に公開するための方法を3つご紹介します。
また、その3つの方法のメリット・デメリットについても解説するので、自分に合った方法を選んでもらえると幸いです。
ポートフォリオサイトを外部に公開する3つの方法
ポートフォリオサイトを外部に公開するための方法は、以下の3つです。
- 自分でWebサーバを構築する
- ngrokを使う
- VPSを使う
それぞれ順に解説していきますね。
自分でWebサーバを構築する
まず1つ目は、自分でWebサーバを構築して、そのWebサーバ上でポートフォリオサイトを公開する方法です。
ApacheやNginxをPCにインストールすることで、そのPCをWebサーバとして使うことができるようになります。
サーバって、サーバ専用のPCを買う必要があると思っている人もいるかもしれませんが、そういう訳でもないです。
家に転がってる古いPCでもいいの?
動きさえすれば、だいたいどんなPCでもOKですよ。
ちなみに、WebサーバはWindowsやMacでも立てることはできますが、Linuxを使うことをおすすめします。
理由は、圧倒的に情報量が多いから。
情報量が多いと、何かトラブルが起こったときすぐ解決することができるので、初心者でも割とスムーズに進めることができます。
Linuxは動作が軽いので、昔の低スペックPCでも十分に動かすことができますよ。
ngrokを使う
2つ目の方法はngrokを使う方法です。
これも1つ目の自分でWebサーバを立てる方法と似たような方法になります。
違いとしては、公開用のサーバを使う必要がない点です。
例えばWebアプリケーションを開発するときって、XAMPPなどのローカルサーバを使って動作確認をしますよね?
http://localhostってURLにアクセスして動作確認をすると思うのですが、このURLは自分のPCからしかアクセスすることができません。
しかし、Ngrokを使うと、このhttp://localhostってURLに別PCからアクセスすることができるようになるんです。
つまり、別途わざわざ公開するための準備をしなくても、今使っている環境をそのまま公開できるんです。
VPSを使う
3つ目は、VPSを使う方法です。
自分でサーバを用意するのではなく、サーバを使うことができるサービスを使う方法ですね。
ざっくり言えば、レンタルサーバのもう少しいろいろできる版です。
公式サイトを見れば導入手順も全て書いてあるので、初心者でも簡単に導入することができます。
有名なVPSだったら、公式以外にも解説しているサイトは山程あります。
ただし、サーバはLinuxなので、全てコマンドを使って設定する必要があります。
ちなみに、VPSでどんなことができるのか気になる人はこちらの記事を参考にしてみてください。
自分でWebサーバを構築するメリット・デメリット
ここからはそれぞれの方法についてのメリット・デメリットについて解説していきますね。
まずWebサーバを構築する方法についてのメリット・デメリットは以下の通り。
順に解説していきます。
【Webサーバ構築のメリット①】無料でできる
自分でWebサーバを立てる場合、新しく何かを買ったりする必要がないので、無料でできます。
家に転がっている昔のPCにLinuxをインストールして使ってもいいですし、今使っているPCに仮想化ソフトを使って環境を構築するのもありです。
仮想化ソフトとは、その名の通り今使っているPCの中に仮想的にPC環境を構築するソフトです。
VirtualBoxは無料で使うことができる仮想化ソフトなので、お金をかけずに使いたい場合はこちらを使うといいですよ。
ちなみに、LinuxのOSは無料で使うことができます。
そのため、PCさえあれば全くお金をかけずにWebサーバを構築することができるんです。
OSはCentOSかUbuntuのどちらかを使うといいですよ。
個人的にはCentOSの方が好きです。
ただ、AppleシリコンのMacで仮想環境を作る場合は、CentOSが使えないから注意が必要だよ!
【Webサーバ構築のメリット②】サーバの知識が身につく
Webサーバの構築を1から行うには、ある程度のスキルが必要になります。
そのため、はじめてサーバ構築を行うとなると、しっかりと調べながら試行錯誤して進めることになるかと思います。
調べながらでも実際にサーバ構築を行うことで、どのようにサーバを構築するのか知ることができますよね?
つまり、サーバ構築の知識が身につくんです。
また、サーバを構築するためにはLinuxのコマンドの知識も必要になります。
実際調べながらコマンドを打つことで、コマンドの意味が嫌でもわかってきます。
その結果、サーバ構築が終わる頃には、ある程度のLinuxの知識とサーバ構築の知識が身についてるんです。
プログラミングだけでなくサーバの知識もあるのは、転職活動で有利になります。
そのため未経験エンジニアは、一度サーバ構築を経験しておくことをおすすめしますよ。
【Webサーバ構築のデメリット①】ルータの設定をいじる必要がある
普段PCを使うときは、PCからインターネットへと通信はできますが、インターネットからPCへの通信はできなくなっています。
なぜ通信ができないのか、いろいろありますが一番大きな理由はインターネット側からPCが見えないからです。
通信を成立させるためには相手のIPアドレスが必要です。
しかし、家庭内のネットワークとインターネットでは使っているIPアドレスが異なります。
- 家庭内ネットワーク
→ ローカルIPアドレス - インターネット
→ グローバルIPアドレス
その結果、インターネットから通信しようとしても、グローバルIPアドレスはわかってもローカルIPアドレスがわからないため通信ができないんです。
イメージとしては、荷物を送ろうとしたときにアパートの住所はわかるけど、部屋番号がわからないって感じです。
この問題を解決するためには、ルータにポートフォワーディングの設定が必要になります。
ポートフォワーディングを使うと、ポート番号をローカルIPアドレスに紐付けることができるんです。
Webサーバとして公開するのであればポート番号は80になるので、ポート番号が80の通信が来たらこのPCへと転送すると設定することで通信ができるようになるんです。
アパートの管理人(ルータ)に「自分宛の荷物が来たら届けてね!」ってあらかじめ教えておくイメージです。
でも、ルータによってはポートフォワーディングの設定ができなかったり、設定方法がわからなかったりすることがあります。
その場合は、この方法が使えないので注意してください。
このあたりはネットワークの知識が必要となります。
【Webサーバ構築のデメリット②】外からPCに攻撃される可能性がある
前述した通り、普段はインターネットからPCへとアクセスすることができません。
しかし、ルータにポートフォワーディングの設定をすることでPCへとアクセスができるようになります。
Webサーバを公開するためには必要な設定ですが、こうすることで誰でもPCへとアクセスができるようになってしまいます。
つまり、悪意を持った人から攻撃を受ける可能性も出てきてしまうんです。
今まではそもそもインターネット側からPCを見つけることができなかったので安心でしたが、Webサーバを公開することでこのようなリスクも出てきてしまいます。
また、Webサーバを公開する場合、Webサーバ用のポート(80/TCPと443/TCP)を開ける必要があります。
ポートに穴を開けると、そこから攻撃を受けるリスクも出てきてしまうというのは覚えておきましょう。
ファイアウォールやWAFを導入する、アクセスログを監視する、プライベートPCとは別ネットワークにサーバを置くなど、セキュリティ対策をしっかり行う必要があります。
ngrokを使うメリット・デメリット
次にngrokのメリット・デメリットについて解説していきます。
ngrokを使うメリット・デメリットは以下の通り。
順に解説してきます。
【ngrokのメリット①】無料でできる
ngrokは無料で使うことができます。
ngrokをダウンロード・インストールするだけで誰でも使うことができるようになります。
Windows・Mac・Linuxどれでも使うことができるので、自分のPCにインストールして使うのもいいですし、古いPCをWebサーバとして使うためにインストールするのもありです。
【ngrokのメリット②】導入が簡単
ngrokは導入が非常に簡単です。
会員登録は必要になりますが、インストールして設定を行うだけで、簡単にローカル環境をWebサーバとして公開することができます。
通常通りWebサーバを構築して公開するためにはルータの設定が必要になりますが、その必要もないのでかなりお手軽です。
【ngrokのデメリット①】外からPCに攻撃される可能性がある
自分でWebサーバを構築するのと同じく、PCをインターネット上に公開すると攻撃される可能性が出てきてしまいます。
自分のPCをWebサーバとして使うため、当然と言えば当然なんですけどね。
Webサーバを公開するというのは、言ってしまえば一部の部屋以外の鍵だけをかけて、家のドアを開けっ放しにしている状態です。
普通の人は家に入っても鍵の開いている部屋だけを見ます。
しかし攻撃者は、鍵がかかっている部屋の鍵を開けようとしたり、鍵が開いている部屋の壁に穴を開けて別の部屋へ入ろうとします。
そうならないために、普段は玄関のドアを閉めておくんです。
こんな可能性もあるためインターネットに公開する場合は、鍵を二重にしたり監視カメラを設置したりとセキュリティ対策をしっかりしておきましょう。
Webサーバを公開するって、ざっくりこんなイメージです。
【ngrokのデメリット②】常時公開しておくのが難しい
ngrokが機能するのは起動している間だけです。
そのため、採用担当者にURLを教えてポートフォリオサイトを見てもらうのであれば、そのタイミングでngrokを起動している必要があります。
また、ngrokは一度終了させてしまうとURLが変わってしまうので、一度URLを教えたらずっと起動しっぱなしにしておかないといけないんです。
一応ngrokの有料プランに入ることで、URLが変更されるのを防ぐことはできますけども。。。
自分でWebサーバ環境を構築した場合、いつアクセスされても困りませんが、ngrokの場合はこちらでngrokを起動している間しかアクセスを受けることができない点覚えておいてください。
VPSを使うメリット・デメリット
次にVPSを使うメリット・デメリットについてです。
VPSを使うメリット・デメリットは以下の通り。
こちらも順に解説していきますね。
【VPSのメリット①】安全に使うことができる
これまで紹介してきた2つと違って、VPSは自分のPCやネットワークから完全に切り離されています。
そのため、仮に攻撃を受けたとしても被害はそのVPSだけで済みます。
自分でサーバ構築して攻撃を受けた場合、家庭内ネットワークに繋がった他のPCなどに影響が出る可能性があるってのが怖いところです・・・
他機器に影響が出ないだけでなく、自分のPCとは完全に切り離されているので、一度完全に削除してから作り直すことも躊躇なくできます。
自分のPCが攻撃を受けたとしても、完全削除はできるだけしたくないもんね・・・
【VPSのメリット②】サーバの知識が身につく
VPSを使うって、正確に言うと”VPS上にWebサーバを構築する”ってことです。
OSのインストールはブラウザ上からできますが、Webサーバの構築自体はコマンドを使って自力で行う必要があります。
そのため、VPSを使う方法でもサーバの知識が身につきます。
【VPSのメリット③】失敗したときのリセットが簡単
調べながらWebサーバの構築を行っていると、失敗することがあります。
例えば、書かれている通りにコマンドを打ってもバージョンが違うとエラーが出ることもあります。
エラーが出ると別のサイトを参考に進めますよね?
このようなことを繰り返していると、今どんな状態なのかもわからなくなって最初からやり直したくなる場合があります。
インストール時にエラーが出たけど、関連する一部のパッケージはインストールできてしまっていて、そのせいで後から困るなんてこともありますからね。
初心者だとそういうの見つけるのも大変だし、それなら最初からやり直した方が楽だよね・・・
自分でサーバ構築を行っている場合、最初からやり直すにはOSの再インストールを行う必要があります。
このOSの再インストールが面倒なんですよね。結構時間もかかりますし。
でもVPSの場合、このOSの再インストールがかなり簡単になります。
ブラウザから数回のクリックだけで、今まで使っていた環境の削除とOSの再インストールができてしまうんです。
何度でも簡単にやり直すことができるので、どうしても失敗が多くなってしまう初心者にはありがたいです。
ブラウザからの操作は直感的でわかりやすいしね!
【VPSのデメリット】サービスを使うのは有料
他2つの方法は無料で使うことができますが、残念ながらVPSは無料で使うことができません。
そのため、全くお金をかけたくないって人にはおすすめできない方法となっています。
とは言え、そんな高いものでもないので、安全を買うって考えると全然悪くない方法ですよ。
未経験者エンジニアにおすすめの方法
ポートフォリオサイトを公開するための方法を3つ紹介してきましたが、未経験者エンジニアにはどの方法がおすすめなんでしょうか?
それはVPSを使った方法です。
理由は単純。
簡単で安全にWebサーバを使えるからです。
サーバについて詳しくない人がインターネット上にWebサーバを公開してしまうと、攻撃を受ける可能性が非常に高いです。
でも、どこかにURLを載せる訳でもないし、攻撃されることなんてなくない?
でも不思議なことに攻撃されるんですよね・・・
どこかにURLを載せたりしなくても、Webサーバって攻撃が大量に来るんですよね。主に海外からですが。
そのため、自分のPCを使う方法ではなく、完全に切り離された環境で動くVPSを使うことをおすすめします。
でも有料なのはちょっと・・・
そう思う方もいるかと思いますが、ConoHa VPS
しかも、初期費用は無料な上、最低利用期間もありませんので、1ヶ月だけ使ってすぐ解約ってことも可能です。
また、従量課金制としても使うことができます。
サーバを起動している間だけ課金が発生し、最高でも契約しているプランの月額料金までしか上がらないため、かなりコストを抑えながら使うことも可能。
ポートフォリオサイトを公開するだけなら1番安いプランでも問題ないですし、たった682円で安全に使えるって考えたら安いんじゃないでしょうか?
ちなみに、デスクトップPCを1ヶ月間つけっぱなしにした場合、電気代が約600円くらいかかるので、それとほぼ同じ値段と考えるとお得に思えますね。
【参考サイト】
ポートフォリオサイトを公開する3つの方法まとめ
- 自分でWebサーバを構築する
- ngrokを使う
- VPSを使う
ポートフォリオサイトを公開するにはWebサーバが必要です。
そして、Webサーバを外部に公開するためには、今回ご紹介した3つの方法があります。
1つ目と2つ目の方法は無料でできますが、外部からの通信を自宅のネットワークに通す必要がありますが、そうすると悪意を持った人から攻撃を受ける可能性が出てきてしまいます。
3つ目の方法、VPSは有料ではありますが、自宅のネットワークとは切り離されているため、仮に攻撃を受けても被害が最小限ですむという大きなメリットがあります。
そのため、未経験エンジニアが転職活動のためにポートフォリオサイトを公開するのであればVPSを使う方法がおすすめです。
変に自力でサーバ構築をしてトラブルが発生すると、その対応に追われる時間がもったいないですからね。
ConoHa VPS